2009年 03月 17日
M歯科医院、改修の打ち合わせ
M歯科医院の建物は21年前に我が事務所で設計させていただいた鉄筋コンクリート造2階建ての建物です。
小さなメインテナンスはされていたようですが外装や鉄部の塗装はかなり痛んでいます。
きょうは、当時建物の建築を担当してくれたN建設のKさんとOさん、そして電気工事のM社のHさん、そして当時ボクとクライアントであるM先生を引き合わせてくれたTガスのNさんが久々に集合しました。
診療中のM先生も診療室から抜け出してきて昔話に花が咲いてしまいました。
この建物は歯科診療所としての機能のほかに3つの用途が考えられています。
当時から音楽好きで、スポーツマンであったM先生はまずホームコンサートが出来るスペースを要求されました。
そこで考えたのが、普段は応接室やレッスン室として使用していて、コンサートのときは大きな引き込み建具を開け広げて階段状の客席と一体になったホールになる、屋外劇場「テアトロン」というスペースです。
ここでコンサートを開くときは50人ほどは入ることができます。
また、トライアスロンをされているのでトレーニングスペースも必要でした。
そこでこの屋外階段から屋上がそれにあてられています。上部には鉄骨フレームが架けられ、テントを張ることができ、雨天でもトレーニングが可能なように設計しました。
そこにある蹴上げ40センチの階段はトレーニングにもってこいの階段です。
そして、2LDKの別宅として使用できる小規模な住居です。
また、当初この建物はコンクリート打放しで計画したのですが、M先生より、コンクリート打放しの歯科医院は「痛そう!」という印象を与えるので色を付けて欲しいという要望がありました。
そこで、だったら幼児にも喜ばれそうな歯科医院にしましょうということで、パステルカラー8色を使用した楽しい歯科医院になったのです。
当時、新しい医院建築ということで、NHKのニュース番組「モーニングワイド」でもとりあげられたりもしました。
思い返せば、この建物の構造設計は、初めて梅沢さんと協働した建物でもありました。
梅沢さんは当時は中東から帰って、丹下事務所から独立されたばかりだったとおもいます。
ということは梅沢さんとも21年以上になるんですね~、、、。
全体的にもRCラーメン構造と壁構造、そして一部は鉄骨構造というバラエティーに富んだ空間が展開しています。
このM歯科医院はぼくにとっても、いろいろ想い出の詰まった建物です。
早いもので竣工当時は小学生だったM先生のお嬢さんは歯科医となられて診療を手伝われています。
まだまだこれからもM歯科医院は続いていきます。
今回の改修で、20年前の姿をよみがらせることができたら最高ですね~設計者としても~、、、。
大きな引き込みガラス戸を全開にすると、外部階段と一体になったコンサート会場になります。
by hosoya_isao
| 2009-03-17 19:55
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