優しくて強い人(先生)

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恩師の内田雄造先生が急逝され、お通夜にいってきました。

内田雄造先生はぼくたちが在学中は講師として東洋大学で都市計画の科目の教鞭をとられていました。
いつもジーパンにジャケットというラフなイデタチで、気取らず構えず、大変親しみやすい先生でいらっしゃいました。
当時から、先生は東大闘争のリーダーとして活動されていたと聞いていましたが、その温厚なお人柄からは、まったく想像もつきませんでした。

卒業し、十数年ぶりに東洋大学で非常勤講師をさせていただくことになり大学へ行くと先生は教授になられていました。
それ以来、設計製図の授業を一緒に担当させていただく機会も多く、ボクが自分自信で設計した建物をレクチャーするときなどには、先生はいつも率直なコメントや温かい励ましの言葉をいただいていました。
ボクがいくつになっても教え子として見守ってくださっていたのでしょう。
学生達にも、分け隔てなく温かく接する先生でした。
教員の理想です。

今日の通夜で、何人かの方の弔辞をお聞きし、改めて先生のお人柄を知ることができました。
いまから約40年前の学生運動の嵐が日本中に吹き荒れている頃、先生は東大闘争のリーダーとして強い信念を持って体制と闘っておられたそうです。
その後、街づくりの研究者となっても、同和地区の街づくりや市民運動のリーダーとして、つねに社会的弱者の味方としての研究者の生き方を貫いてこられた方なのです。
その業績は建築学会業績賞などをはじめ、数々の賞を受賞されています。

あの温かくて優しい先生と、社会的弱者が納得できない問題に対しては、真正面から対峙する芯の強い先生が同居することがとても不思議であり、また憧れでもありました。
そんな、温かくて優しくてそして強い生き方を先生から学ばせていただきました。
本当にありがとうございました。

先生のご冥福をお祈りいたします。
by hosoya_isao | 2011-01-28 22:02 | Comments(0)