1985年竣工、ムクリ屋根

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きょうはS HOUSEのリフォームの工事契約に立ち会ってきました。

S HOUSEは我が事務所の設計で1985年竣工に竣工した建物、ということはもう30年前の設計と言うことになります。
木造2階建ての延床面積が74坪という大きな和風住宅です。
一文字瓦の屋根は100分の1のムクリが施されています。
ムクリとは屋根の流れの中ほどを持ち上げて屋根を円弧状の曲線にする工法で、最近はなかなか見ることがないのでわからない人が多いと思います。

当時、数寄屋建築で修業をしたボクが、和風住宅にはよく採用した納まり。
この屋根の曲線があることによって、数寄屋建築としての安定感・高級感が生まれるように思います。

いま、当時の手描きの実施図面を見ると、よくここまで細かく描いたなぁ~と思えるくらい密度が高い図面です。ほとんどの図面がFによる図面です。
最近はめっきり和風住宅の依頼が減ってしまい、このようなデザインをすることが少なくなってしまいましたが、機会があったらぜひムクリの屋根に挑戦してみたいと思います。

竣工して30年近く経過したS HOUSEですが、きれいに使っていただいているので傷んでいるところはまったくなく、竣工当時のまま。
住宅は施工会社の丁寧な施工と、住まい手の定期的な維持管理によっていつまでもきれいに維持できることを実感させられました。

今回は世代交代により、LDKの構成を変えたいとの要望により、リフォームをすることになりました。
もともとの住宅を設計させていただき、世代が変わりリフォームの設計の依頼もいただけるのは、設計者としては大変うれしいことです。

工期は2カ月、3月末の完成目指して頑張りたいと思います。
by hosoya_isao | 2014-01-21 17:45 | Comments(0)