杓子定規

建築設計をしていると、たびたび納得の行かない建築確認行政の指導にぶち当たることがあります。
今回もその一つ。

ある幼稚園の2階の外部にある「遊び場デッキ」というスペースに、1階を覗ける穴を設け、そこにはしっかりとしたロープネットを張り、園児がそのネットの上で遊べるように設計しました。
すると、役所はその穴の周りに手摺りを設置するように言ってきたのです。
それでは、ひとつの遊具として考えたその穴の意味がまったくなくなってしまいます。

以前、見学に行ったF幼稚園のことを思い出し、資料を出して調べた結果、どうやらF幼稚園もそのことを言われたようで、そのネットの周りにお飾りのようなロープ1本の手摺りが回してありました。
このロープ手摺りが、手すりとしての意味をまったく持たないことは設計者も役所の担当者もわかっているはずです。
しかし、なんらかの形で手摺りをつけないと確認申請が受理されないということで、これは設計者の最大限の抵抗だったのでしょう。

今回は、これ以上行政と議論するのは時間の無駄と考え、行政の指導に沿うことにしましたが、、、。

この一方的な指導、事勿れ主義とも言える責任逃れ的な行政の姿勢、なんとかならないのでしょうか、、、、。


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by hosoya_isao | 2017-02-21 10:34 | Comments(0)