2021年 02月 21日
卒、審査

例年は一般公開という形式で制作者に作品を説明してもらいながら進めていたとのことですが、今年はコロナの影響で審査員4名と進行役の西田司さんが新宿のレンタルオフィスの一角に集まり、zoomでの公開審査ということになりました。
まずは午前中は先日の0次審査で選出された55作品の中から、10作品を選ぶ作業からスタート。
午後からはこの中から最優秀賞、優秀賞、そして審査員個人賞を選んでいきました。
最優秀賞を選ぶにあたっては、まずは10作品のうちから審査員がそれぞれ3票を入れ、その結果を見ながら選んだ理由、選ばなかった理由をコメントします。
選んだ理由というのはわりとコメントしやすいのですが、選ばなかった理由というのはなかなか難しいものです。
予定時刻を大幅にオーバーしながらも、じっくり議論し、時間をかけてやっと結果が出ました。
その結果、今回の最優秀賞は同点の2名ということになりました。
一人目は工学院大学建築デザイン学部の梅原千夏子さんの「棚田が育む不登校の子ども達のためのフリースクールの提案」。
不登校の子ども達が生活する施設で、床レベルを変化によって視線が変わることによる精神作用や、いろいろな居場所を建築的に設けた新しい提案にあふれたフリースクールでした。
二人目は明治大学理工学部の成定由香沙さんの「香港逆移植ー映画的建築による香港集団的記憶の保存」という作品。
現在の香港の置かれている状況を、映画的体験を通じてその記憶を保存する建築を提案するというもの。映画的な動画でのプレゼンも素晴らしかったです。
そして細谷賞は東洋大学ライフデザイン学部の磯永涼香さんの「記憶の欠片をそっとすくうー人間魚雷「回天」に巡る出会いと別れの島」
人間魚雷回天の基地のあった故郷に、魚雷によって消えていった若者の心象の追体験を意図した内容で、戦争の記憶の継承を願った建築でした。
偶然ですが、みなさん女子。
2月初めから審査が始まり、全国から寄せられた卒業設計200点余りを見せてもらったのですが、慣れないパソコン上での作品チェックはかなり大変でした。
しかし、学生生活の集大成として制作した学生の気持ちを思うと、ひとつひとつしっかりと見なければという気持ちにさせられたのです。
0次審査から選出された55作品はほとんど差はない印象で、それ以降の選出は審査員の好みによるものだったようにも思えます。
今回、たくさんの卒業設計作品を見ることにができ、とても良い刺激にもなったきがします。
企画してくれた学生実行委員のメンバー、そして応募してくれた学生たち、コロナ禍であってもやっぱりやる気のある若者のパワーは健在。
みなさんすごかったです!!!お疲れ様でした。
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by hosoya_isao
| 2021-02-21 19:25
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